《キャンプの達人》だと、僕らは思っていた。
キャンプを見事にこなす事に自信を持っていた。
そんな先日、びっくりした。
その驚きを、素直に伝えたい。
あるキャンプ場だった。
我らのキャンプのすぐ近くに、
10人ほどの団体が、テントを張った。
そのメンバーの言語が全く分からなかった。
様々な言語が混じっているような気がする。
いわゆる多国籍の人たちの集まりのようだ。
今、テントと言ったが、実は既成のテントではない。
ブルーシートである。
8畳間ほどのブルーシートを10枚ほど繋げている。
その張り方が秀逸だ。
まず、一人が、木に登る。
枝も何もない木に、しがみつき7mも登ってゆく。
やがて幹にヒモをくくり付け降りてくる。
さらに、離れた木に登り、その間に一本のヒモを張る。
そこに、先ほどの大きなブルーシートを掛けるのだ。
そして、そのシートの端をそれぞれ、ひっぱり、
あちこちの木に結びつけ、
いわゆるターフと言われる形状を作り出す。
これで、その下で、食事空間が出来上がった。
宴会が始まる。
しかし、キャンプ場としてのルールを守り、
静かなひとときを過ごしている。
ここで、私の疑問が・・・
いったい彼らはどこで眠るのだろう?
この疑問の答えを、翌朝、発見する事になる。
アレはなんだ?
木と木の間にヒモを張り、
そこに三畳ほどのブルーシートを振り分けで掛けてある。
よく見ると、そのシートの間に、なんと!
ハンモックを吊るして眠っているではないか!
ブルーシートの隙間にハンモックが挟まっているのだ。
これで、雨風を防いでいる。
眠っている。
見事だ!
ハンモック初心者の私には、信じられない光景だった。
眠れるんだ。
眠るんだ。
彼らのたくましさと工夫に、
思わず、両手を合わせた。
オジギした。
凄い!
我らのキャンプなんて、ホンモノのキャンプじゃない。
彼らのキャンプこそ、《いざとなったら》のキャンプだ。
どんな所でも、生きていけるキャンプである。
合わせた両手を、万歳しながら、つぶやいた。
(尊敬します)