風速40mまでは、見た事がある。
見たとは、気象庁が流している風速ではなく、
自分の目で見た風の速さのことだ。
10年ほど前、三浦海岸に台風が直撃した折、
それまで、知っていた風速25mを明らかに超え、
風の威力が高まった。
ビルの8階から、周りを見下ろしていた。
トタンが空を舞っている。
舞いながら、なかなか落ちない。
どれくらいの風速が出ているのか?
雨で濡れた海岸沿いの道路を風が走るのが見える。
ウインドサーファーには、風が見えるので、
計測してみた。
道路の上をどれくらいの移動をしているか?
3秒間の観測にしてみた。
ある信号からある信号までが、ぴったり3秒。
その距離は、(後計)120m。
120÷3=40
数度の計測で、平均秒速40mの観測結果となった。
(この観測方法は、風が見えないと出来ません)
その時、海は、見た事がない色をしていた。
ニビ色という表現があるが、
それに、赤茶色を足したような色である。
風速20mになると、海は、白波がとびかい、
《ウサギがとぶ》という状態になる。
ところが、40m時のソレは、もはやウサギはとんでいない。
波頭そのものが、風で押さえられ、
引きちぎられ、一見おだやかにさえ、見える。
おだやかと言うのは、変だが、
恐らく、風が、波のてっぺんをサラっているのだろう。
霧が海面を、高速で走っているような錯覚すらある。
それ以来、久々に、大型台風が襲来したのだが、
40mには届かなかった。
私的な観測では、30mちょっとだった気がする。
それでも、海は爆裂していた。
よゐこは、海に近づいてはいけません!
よゐこは、台風が過ぎてから、安全に海を走る