この物体が、私の欲しかったモノだ。
友人のチョク君が、進呈してくれた。
《下地探し どこ太》
そう書いてある。
さて、何だか分かるかな?
マンションやら家やらで、壁にクロスが貼ってある。
いわゆる壁紙だ。
そこに、何かネジを打ち込みたい衝動にかられる。
かられたあげく、ネジを打って、何かを止めたくなる。
例えば、絵画を飾るビスを打ったり、
カーテンの押さえ止めを、打ち込んだり。
じゃあ、どこにでもネジを打てばいいのかと云えば、
そうでもない。
クロスの奥に、木材の根太(ねだ)がしっかり無ければ、
ネジは緩んでしまう。
では、その根太とやらはどうやって見つけるのか?
そこで、登場するのが、冒頭の、
<どこ太>である。
こいつを、グイッと押し付けると、
尖った針が、壁のクロスに突き刺さる。
その
刺さり方で、壁の奥がどうなっているか知れるのだ。
「イシマルさん、
大工関係は、道具がすべてです!」
チョクが、力強い匠の言葉を述べた。
『ありがとうチョク、これで、5年ぶりに、
カーテンが止められる』