「磯の香りがするねェ~」
海の近くの駅に降り立った人が、つい口にする。
文学的には、貴重なくだりである。
<潮の香り>とも言う。
はて?
<磯の香り>とは、何だろう?
常々考えてきたのだが、その答えは、恐らくコレだ。
<海藻の匂い>
常日頃、海の近くを歩いているが、
いつも磯の香りが漂っているわけではない。
では、いつ香りがするのだろう?
アレは何の香りだろう?
日本中アチコチの海岸を歩いている私である。
その私が、カンでもの申す。
あの香りとは、<海藻の香り>である。
海岸近くに繁茂している色んな種類の海藻が、
干潮の時に発する匂いだと、考える。
その証拠に、満潮時と干潮時では、香りの強さが明らかに違う。
干潮時の方が強い。
「いい加減な事を言うんじゃない!」
とお叱りの方は、《ためしてガッテン》に投稿してください。
そんなの嫌だという方は、《所さんの目がテン》でもいいです。
確かに、海藻だけに限定はできないものの、
海藻の香りが大部分を占めていると、思われる。
では、アノ香りを持って帰りたいかと聞かれると・・・
意外や、アノ香りは、複雑で、しかもイヤな匂いも含んでいる。
魚の死骸の腐臭であったり、海藻の腐った匂いであったり、
決して良いモノばかりではない。
それらが、すべてうまく融合して、磯(潮)の香りとして、
市民権を得ているに過ぎない。
総じると、《懐かしくいい香り》という表現にまとめられる。
さざえさんの漫画に出てくる、カツオ君が将来、
お嫁さんを迎える時には、ぜひ、
かおりさんとお付き合いして頂けたら・・・
《いそのかおり》