台湾に行くと、朝、「ザオテン」と向き合う事になる。
ザオテンとは、<早点>と書き、正確には、
《早黒点》となる。
いわゆる、朝飯屋さんだ。
モーニングサービスの台湾バージョンである。
朝飯大好きの私としては、こんな素晴らしいシステムはない。
早朝から、夕食なみの食材を、食べさせてくれる。
具体的に、見てみよう。
朝7時・・
ザオテンの、とある店に入る。
もうもうと立ちのぼる湯気の向こうに、蒸し器が見える。
でっぷりとした肉まん(パオズ)が、蒸されている。
お店のお姉さんに、それを指差すやいなや、
すぐさま、パオズがアツアツのまま、皿に乗せられてくる。
アッチの蒸し器を指差すと、
でっかい餃子が、ツヤツヤの皮を光らせて、出てくる。
さらに、指差すと、肉塊おびただしいスープが、
ドド~ンと、お姉さんの腕っぷしに任せて差し出される。
テーブルに並べられた料理を、冷静に眺めれば、
そのまま・・・
夕食で、紹興酒片手に、
舌鼓を打つべく注文したメニューそのものではないか!
ないか!
「ビール頼んでいい?」
滝田君の、思わず出たセリフが、すべてを表している。
その料理を見ちまったら、条件反射的に出る言葉である。
ただ・・言葉が出た時間が、朝の7時だった。
ザオテンとは、我らの荒ぶる胃袋と、勇める心を、
この上なく高める食堂なのです。
《活力精力湯》とは何だろう?
《奇異果汁》とは何だろうか?