《ワカメ》をいただいた。
採れたてのメカブ付のワカメだ。
背の丈、2m。
「持ってきな~」
漁師さんが、採って来たばかりのワカメを持ち上げる。
養殖ワカメである。
今、養殖と言ったが、魚の様に、閉じ込めた養殖ではない。
海の中で、自然に育てた養殖である。
では、ワカメは、どうやって育てるのだろうか?
漁師さんに、素朴な疑問をぶつけた。
「ワカメは、種ですか?卵ですか?ツギ木ですか?」
『卵だな』
「卵は、どこに?」
『メカブから卵が産まれるんだナ』
「あのネバネバから?」
『メカブを4月に、水の中に浸けとくと、ネバネバが出るわナ、
あの中に、卵があって、水中のヒモにひっつく訳ヨ』
「ほんで?」
『10月になったら、そのヒモを、海に吊るすのサ』
「すると?」
『かってに、芽が出て、ワカメが伸びてゆくんだわ~』
「ちょ、ちょっと待って下さい。そのヒモは、4月から10月まで、
どこにどうしているんですか?」
『う~んとネ、海水のタンクの中に入れとくネ』
「も、ひとつ質問を」
『うん』
「卵は、見えるんですか?」
『・・・アンタ、顕微鏡を持ってるかい?』
「あ、わかりました」
その夜、頂いたワカメをシャブシャブにして食った。
鍋の中に噴き出す卵を、顕微鏡レベルで想像しながら食った。
2mになんなんとする立派なメカブ付ワカメを、
なんと、丸まま2本食ったのだが・・・
翌朝、腹ペコで目が覚めた。
コレが3秒でこうなる
コレが3秒でこうなる