晩酌という日本の文化は、不思議である。
海外を旅して、思うのだが、
家庭で、毎晩晩酌をする光景をあまり目にしない。
家庭でなくとも、外食の場で、
酒を呑むという姿があまり見られない。
例えば、東京という都会。
街を歩けば、飲み屋だらけである。
飲み屋には、ありとあらゆる酒を置いてある。
日本酒だけでも、多くの銘柄を並べ、
他の酒を含めると、ちょっとした酒屋と呼びたくなる。
ビールに限れば、たいていの店で飲める。
ラーメン屋にも置いてある。
定食屋でさえ、ビールはたのめる。
お金さえ払えば、酒を呑むことに困らないのが、
日本という国かもしれない。
そこで、晩酌。
晩酌派の私としては、ほどほどの酒を、たしなむのが、定番。
友人が訪ねてきた折に、ほどほど超えをするのも、いとをかし。
興に乗って、ほどほどの3倍ほども、盛り上がったりする。
当然、翌日、ささやかな反省の弁が出る。
「なんか夕べ、食べ物が旨かったからなあ~」
酒の肴のセイにしている。
たしかに、肴で酒の旨さは一変する。
《酒は肴次第》と書にしたためたいほどだ。
ちなみに昨日の集まりでは、
アヒル一匹が、それぞれの臓腑に吸い込まれた。
あっ、豚の足も、摂りこまれた。
台湾風なので、酒も、紹興酒が力を貸してくれた。
紹興酒さん、ありがとう。
丸ままアヒルの豆ミョウ乗せ