今や、鹿を観ようと思ったら簡単である。
猿より容易に見つける事ができる。
鹿は秋ってんで、以前であれば、秋の山に行くと、
そこかしこに、鹿が出没していた。
ところが今、真冬の雪ザンザカ降る山里でも、鹿の家族を目にする。
もはや人間様には、怯えていない。
チラとこちらを見るフリはするが、おかまいなしに飯を食っている。
昼間でも、道路の横に居座り、平気で口をモグモグやっている。
「君らは、夜行性じゃなかったの?」
もしアナタが鹿の大群を観たくなったら、夜同じ場所に行くといい。
車のライトに照らし出されるその数には、驚きあきれる。
10頭くらいは、すぐにでも数えられる。
目が光るので、暗闇にいる奴らまで、数えられる。
過疎地の小学生の方が、はるかに少ない。
私が、釣りに行って、一日頑張って釣れたアジより多い。
この大群が、山の笹を食べ尽くす。
一山食べちまった場所も、見た事がある。
すると、笹の中に巣を造っていたウグイスなどの小鳥がいなくなる。
小鳥がいなくなると、小鳥に食べられていた筈の蛾が、大繁殖する。
蛾の幼虫が、木々の葉っぱを大量に食べ、
樹木が枯れてゆく。
木が枯れると、崖崩れがおき、山が死んでゆくのである。
鹿禁漁区の地域の山里からは、様々な山菜が消えている。
以前なら、
「イノシシとの戦いだわねぇ~」
と嘆いていた奥様が、
「鹿とは、もう、戦う気すらおきないですヨ」
さほど、鹿は強く、たくましく、食欲旺盛である。
今の所、鹿には天敵がいないのが問題なのだ。
どうしたらいいものか?
コレはもう、皆で鹿を食べるしないんでないかい?
鹿肉に舌鼓を打つようになれば、鹿をやっつける人達が増える。
イノシシは食ってる。
ほんじゃ、次は鹿だ。