餃子だけディナーに8人が集まった。
ビールや紹興酒、ワインを持参した友人らが、
生唾を飲み込む。
まずは、<
焼き餃子>だ。
テーブルの上にホットプレートを配置し、
焼きにかかる。
10分ほど掛かるのだが、その香ばしい匂いに、
ビールを呑んだ皆のホホが紅い。
途中で、お湯を注ぐ時には、小さな歓声があがる。
ジュワ~~~
出来た!
ほおばる、ほお張る、頬張る。
餃子ほど、
ほおばるという表現がぴったりの食べ物もない。
ホフホフと声まで聞こえる。
三回ほど、焼き餃子をこしらえると・・
「さあ、次は、<
蒸し餃子>だよ~ン」
皮がつやつやに透けて、薄緑色になまめかしい蒸しが、出される。
この辺りで、ビールから紹興酒に移行している大畠さんがいる。
ワインを呷るナベちゃんもいる。
そして、最後の仕上げは、<
水餃子>だ。
強力粉を多くしたモッチリした皮でいただく。
具は、全部一緒なのに、焼きと蒸しと水餃子で、
三様の味わいを楽しめる。
「あっ、岩崎くん、ラー油は振らなくていいんだヨ」
『えっ?』
「ポッチを押すだけ」
『し・・知らなかった』
「リチャード君、遠慮せずにもっと食べて」
『いいんですか?』
「まだ、全体の半分しか食ってないかんネ」
全員『えぇ~~~~~』