白樺は、ずるい樹木である。
白樺は美しい。
高原系の写真や絵画に、堂々と出演する。
白樺さえ、登場させれば、売れる絵になる。
白樺の横には、貴婦人が良く似合う。
ましてや、白樺が周りに数本生えているペンションに至っては、
それだけで食っていける。
「困ったときの白樺」とさえ言われている(気がする)。
確かに、白樺は、周りに樹木がない場所に生えている。
混ざり合う魂胆がない。
なぜだろう?
どうやら、それは白樺の種が芽をふく性質に関係している。
白樺は、太陽を非常に好む。
ほかに樹が生えていない場所に、種が降り立つと萌芽する。
空き地好きという言い方が正しい。
他の樹木より、空き地好きの傾向が著しい。
するとどうなる?
白樺だけ生えている敷地が現れる。
白樺林などという、画家や写真家や作詞家が好む条件が生まれる。
たった一本あっても、美しいと褒められる白樺が、
束にかかって、林、いや、森を見せつけてくれる。
これでもか、これでもか、の白樺の森だ。
ずるい!
これはもう、
まいるしかない・・・