「秋は夕焼け」
と、いにしえの歌い人が持ち上げたが、
私的には、
梅雨時を夕焼けの季節だと、騒ぎたい。
梅雨の季節は、雨が降っているばかりではない。
必ず、晴れ間が訪れる。
梅雨の霹靂とでも言おうか。
雨が降って、大気中の諸々を、落としてくれるので、
空気の透明度が高い。
そこに、斜めから狙ってくる太陽の光だ。
只でさえ重なりあう雲が、二重に三重に、いや、十重八重に、
空を蓋い尽くしている。
そんな時、西の空の彼方に、雲の割れ目が生じる。
夕方のひととき、そこから太陽が、全エネルギーを解き放つ。
「おおお~~~ぉぉぉ~~!」
全天候型の夕焼けが現れる。
全天候型とは、西の空だけでなく、
東の空まで、ピンク色に染まる現象だ。
子供たちが、嬌声をあげている。
「
アッチも、コッチも、ソッチも、ボクも真っ赤だネ!」