魚の色模様をどう思います?
魚が泳いでいる所を、三箇所から眺めてみよう。
モデルは、サバ君にやってもらう。
まずは、上から。
青々しい紋様が描かれている。
独特の紋だ。
何に似ているかと問われれば、実に簡単。
《波の紋》
空を飛ぶ鳥の目で見ると、波の紋に似ているサバの紋様は、
見つけにくい。
次に、下から。
サバの腹は白い。
際立って白い。
いや、銀色をしていると言ってもいい。
キラキラ光っている。
太刀魚のように、私の顔を写したりはしないが、
惚れ惚れする白さである。
この腹の下を泳いでいる大きな魚やイルカの目で見てみると、
白い腹が、空の白さに混じっている。
「サバ腹は、空の雲に染まりただよう」
いにしえの歌人の詩にもあるように(ないです)、
見事なカモフラージュである。
最後に、真横から。(冒頭写真)
水族館で、魚が泳いでいるのを見た事があるでしょう。
鯛やアジなどが、思ったより色が白く淡白なのに気付いたでしょう。
特に、サバなんて、背中の紋様がはっきりしない。
全体的に白っぽいのである。
アレは、なぜだろうか?
実は、ウロコのある魚は、そのウロコが、立っているのである。
立つとは、地球に対して垂直に立つという意味だ。
体表にあるウロコの一つ一つが、窓ガラスを立てた様に、
我々の眼の前で立てられている。
すると、
水中を横に進んだ光はウロコの表面で直角に反射され、
すべての表面の色が統一される。
結果、周りの水の色と同じ色になる。
カモフラージュ・・
体育会系のサバ君でも、自らを守る進化をしてきたのだ。
体育の授業に出ながらも、なんとか目立たないようにしてきたのだ。
時折、全力疾走をして、目立ってしまうのは、
彼の性格のセイなのだ。
落ち着きがないのは、生まれつきなのだ。
そして、何でもすぐ食ってしまう性格も、
生涯治らない。
そのサガのセイで、生涯が短くなる事にも気付いてさえいない。
それにしても、その姿は、上下横、どこから見ても、
美しい。
イサキ達