《予約》が嫌いである。
何をするにも、予約が必要な世の中だ。
私が、やっている芝居のチケットだって、予約の一形式である。
だのに、予約が嫌いだと言いはだけている。
予約とは
、未来の自分を拘束するモノだと信じている。
これからどうなるのか?
なにか考え方すら変わるかもしれない・・そんな未来の自分。
その自分の考え方を固定してしまう。
それが、予約だ。
「イシマルさん、そんなに窮屈に考えなくても」
いやいや、私は、未来の私をしばって欲しくないのだ。
例えば・・・
<明日の夜、イタリアンレストランの予約をした>
この瞬間から、明日の夜まで、私的には、拘束されている。
明日突然、どこか他の町に旅立つこともできす、
少なくとも、昼飯にイタリアンは食べられない。
なによりも、予約した事を忘れないようにしなければならない。
例えば・・・
<今週末、山に登るので、山小屋の予約をした>
その瞬間から、山に登るという楽しい筈の未来が、
少しだけ憂鬱になる。
行かなければならないという責務を背負った人間になる。
「突然、行きたくなくなる」という自由度が皆無になる。
自ら手をあげた筈なのに、誰かに命令されている感覚ができあがる。
これは、悲しい。
そして何より、風邪すらひけない。
例えば・・・
<10日後、飲み会の約束をした>
約束、イコール、予約である。
仲間たちとの楽しい飲み会だ。
ウキウキする・・はずなのだが、なぜか、
10日先の未来を決められている自分が、居心地悪い。
前日に深酒できないじゃないか。
たかがの例えば、を並べてみたが、
騒ぐほどの予約ではない。
しかし、私としては、どんな予約も、未来のモノに違いないのだ。
予約を大切にし、決して反故にしない私としては、
この拘束力は、あなどれない。
ああ~
カレンダーに記された○がうらめしい。