昨日のロシアの道路のロデオで、
身体がボキボキになった頃・・・
「車を乗り換えます」
とある村で、「トラックに移れ」と命令された。
ふむ、現れたトラックは、20年前の軍用車だそうだ。
「荷台に全員入れ」と言われる。
左右に板が張られ、横向けに座らされる。
座席は、むき出しの木の板に過ぎない。
囚人護送車に似ている。
窓も小さく、14人乗り込んだところで、
ガチャリッ!
後部ドアに閂をかけられた。
皆の顔が蒼くなる。
「しゅっぱ~つ!」
いきなり車が跳ねだした。
さっきまで乗ってきた車の乗り心地を、
《ロデオ》と表現したが、
だったら、こいつは何と云えばいいのだろう?
<バーのマスターが振るシェィカーの中に入れられた>
ディズニーランドのアトラクションでも、
ここまでのモノはあるまい。
「これは貴重な経験じゃないか!」
と言いかけた安田カメラマンの言葉は、
「これはきちょ」で途切れた。
こういう修羅場では、タ行の言葉を吐いてはいけない。
舌を確実に噛む。
まだ、チだから良かったものの、
「丁寧」とか「どどいつ」とか、
はっきり
歯の前に舌がとび出す発声はすべきでない。
典型的は言葉は、「たどたどしい」である。
さ、アナタ、発声してみよう。
4回連続舌を噛む。
舌を噛んでから、もう一度この言葉を吐けば、
確かに、「たどたどしい」。
30分以上シェークされた頃、急に静かになった。
着いたらしい。
このトラックが付けた轍の深さに驚いた。
私のモモの深さまでもぐっていた。