昨日に続き、連日、サップで釣りに出た。
昨日の釣果は、キス3匹である。
一人の人間が、夕食でいただく量としては、充分かもしれない。
しかし、家族、友人の傲慢な胃袋を鎮めるには、物足りない。
そこで、連日のサップ釣りと相成った。
キスが生息しているエリアを、昨日、察知できた。
そこで、真っ直ぐそのエリアに向かう。
波打ち際から、500mほどの沖だ。
南よりの風に乗せ、ボードを流してゆく。
グルグルグル
コレはキスが餌を食った時の、
竿から私の左手に伝わる振動を、
効果音として表現してみた。
グルグルグル
本日は、入れ食い状態になった。
入れ食いとは、
餌が付いた針を海中に入れれば食うという、
釣り師にとっては、
最高の至福状態を示す表現である。
ボードの横に吊るした魚を入れる網が、どんどん膨らんでゆく。
夕食の献立を考えていた。
刺身に天ぷらに、フライに、グラタンに・・・
陽が傾き、さて帰ろうとなり、魚を入れた網を引き揚げる。
ん・・・?
網の中に、キスが4匹しかいない。
なぬ?
どう考えても、20匹近く釣ったはずだ。
網に穴でも開いていないか、確かめる。
穴はない!
ん・・待てよ?
穴はあるじゃないか!
入り口!
この筒状の網は、ボードの横に流していた。
入り口の開口部は、大きな口を空けている。
すると、釣られたキスは、堂々と入り口から、逃げたと思われる。
つまり・・
牢屋の入り口がカギも掛けられず、ぼんやり開いていたのである。
捕らえられた罪人は、出ようと思えば、好き放題。
一応、出口で、チラリと目をやれば、
入れ食いで、心ここにあらずの人間が、
お馬鹿に哄笑している。
「今だ!みんな出ろ!」
しかして、大勢の罪人、いや、キスたちは自由の身となった。
君たち・・この経験を糧にして、
人間様になんか釣られるんじゃないヨ。
将来、大きく大きくなってから、もう一度、私と会おうネ。
うぅぅ
たったこれだけのキスの刺身
グルグルグル
これは腹が鳴る音