老眼?
そう云えば、しばらく前から、目がしばしばする。
暗い電車内で、文庫本を読むのはツライ。
よもや、相当暗い飲み屋で、小説を開いていると、
バレスとパレスの違いが分からなくなる。
つまり、点々と丸が、分別できない。
ついに、私にも、老眼の誘いが訪れたようである。
ん・・ほんとかな?
確かに、飲み屋は暗い。
ご馳走を美味しく見せる為に、あえて暗くしてある。
男女が綺麗に見えるように、あえて暗くしてある。
飲み屋のお品書きは、あえて墨でのたくって書いてある。
こんな場所で、文庫本を開く方が悪い。
よもや、
黒いページに白い文字で書かれた雑誌だのは、
「ふざけるな!」
思わず、声を荒げる。
特に、スポーツ雑誌は、写真のページが多い。
写真の都合で、濃い色になりがちだ。
となると、文字は白地になりやすい。
見えない。
しかたなく、飲み屋で、懐中電灯を照らすことになる。
勿論、持参の照明器具だ。
いわゆる洞窟用のLEDヘッドランプである。
「おお~見えた!」
見えたものの、それなりに恥ずかしい。
なんせ、ヘッドランプってからには、頭に付けている。
目立つ。
「生ビールお代わりぃ」
注文のついでに、おねえさんを照らしてしまった。