《カメラマンのリュウちゃん》
登山の撮影をするには、カメラマンが必要だ。
只でさえ困難な山岳なのに、
撮影には、登る人以上の体力が要る。
先回りしたり、遠くの峰にあらかじめ登って、
待っていたりする。
「アンタを撮った方が、よっぽど凄いんじゃない?」
皆が思うのは当たり前とも云える。
剱岳の撮影には、
《リュウちゃん》がカメラマンとして参加した。
皆がリュウちゃんと呼んでいたので、それが通り名となった。
見てのとおり、身体が細い。
山男と云うと、大きなゴツイ男を連想するが、
大概の山岳カメラマンは、細く小柄。
マラソン選手が細くて小柄なのと、方向性は似ている。
空気の薄い過酷な場所で、常に動き回るには、
俊敏な身体が必要だ。
それに、あれほど走り回っていたら、
体脂肪は相当少ないと思われる。
サッカー日本代表より、少ないかもしれない。
そして、何より大切なことだが、
楽天家である。
苦労を心底楽しんでいる。
で・・
過酷な剱岳撮影を長期間続けた直後、
家に帰る前にプライベートで、
「穂高に登りに行きました・・」だとっ!
雪渓に豆粒のように写っている3人が、カメラマン達