この写真は、ウインドサーフィンのレースの、
スタート直後を撮ったモノだ。
10人の選手が写っているが、私は左から3番目。
その私だけ、変だ。
全員、前を向いて走っているのに、
私だけ横を向いている。
何だろう?
実は、横を向いているのではない。
周り全部を見ているのだ。
キョロキョロしている。
レースを客観的に観察しているのである。
マラソンを例えに出すと・・・
周りとの駆け引きが、レースには不可欠だ。
誰がどこに居るかを知っているのと、知らないのとでは、
走り方に影響する。
情報は、すべてのスポーツに、
なくてはならないアイテムである。
その情報を得るべく、首をアチコチに捻じ曲げている。
「なにキョロキョロしてんの?」
レース後、よく言われる。
返事はこうだ。
『なんでキョロキョロしないの?』
周りの状況が、判らなければ、作戦が立たないじゃないか?
例えば、冒頭の写真では、私は、こう考えている。
★大畠さん(左から2番目)は今、先頭を走っている。
しかし、スピードは速いが、
ジャイブ(コーナーの曲り)は遅いので、
第2マークまでに抜けるナ。
★ガクさん(左から5番目)は2番手だ、
スピードも速いし、ジャイブも上手い。
ただし、風下に位置するので、ジャイブの時、
風上からかぶせていけば、失速する筈だ。
★カズ(左から7番目赤セール)は、
冬だというのに、なぜ、上半身裸なのだろう?
ドライスーツを持っていないという噂もあるが、
ただの暑がりという伝聞もある。
隣の沖永良部島まで、50キロ単独でサップを漕いで行ったという、
驚異的な肉体能力を持つヤツを最も警戒すべきだが、
ヤツは、めだちたがり屋で、フィニッシュ直前に、
何かパフォーマンスをやり、失敗するに違いない。
よし、ヤツは消しだ。
★タメトウさん(左から8番目赤セール)は、
最後尾にいる。
レースをのんびり楽しむのが好きなスタイルである。
なのに、終わってみると、5位以内に入ってくる実力者だ。
あなどれない。
★問題は・・滝田くん(左から6番目)だ。
厄介な位置どりで上位を狙っている。
すべてにソツなく、皆の中で、一番ウインドが上手い。
ウインド歴も人生の半分を超えている。
強敵だ。
しかし、私には、
マル秘対滝田作戦がある。
もし、私を追い越そうと追い上げてきたら、
振り返って!
舌を突き出し、奇声を挙げる。
これで、戦意を失う筈だ。
キョロキョロ、あ~~忙しい!