神社の境内に、大きなイチョウの樹が植えられている。
雄と雌。
なぜ、イチョウなのかご存じだろうか?
っと、その前に・・・
参道に、杉が植えられている。
ご神木も杉の大木だったりする。
杉は、木陰をつくる意味もあるが、
社の建て替えの時に、大きくなった杉を切って、
建築材料に使う為でもある。
昨今では、その杉をよそから運んできて、
建て替えるケースがほとんどだが、
重機のない時代、手前で調達するには、参道が一番手っ取り早い。
じゃ、なぜヒノキじゃないのか?
実は、ヒノキは大きくなれない。
杉の根っこは、『ゴボウ根』といって、
真っ直ぐ地中深く伸びてゆくので、倒れにくい。
それに対し、ヒノキは、横に根を張るので、大木になると、
倒れやすい。
だから、大木古木になれない。
難儀なものだ。
では、なぜ、イチョウが植えられているのか?
イチョウは、建材としては役に立たない。
せいぜいその実が食べられるのが嬉しいくらいだ。
実は・・・
イチョウは
燃えない木なのである。
落雷などで、燃え上がったりしない不思議な樹だ。
社の近くにあれば、安心できる。
落ち葉すら、燃えない。
燃やしてみた事があるが、煙が出るばかりで、ゴホゴホ、
火勢はあがらない。
街の街路樹に、イチョウが植えてあるのは、秋に美しい。
その代わり、落ち葉掃除がえらい大変だ。
しかし、アレは、
防火帯の役目も果たしていると考えれば、
掃除にも、力が入ろうというものだ。
「あっ、神主さん、今、神主さんから伺った有り難いお話、
全部、したり顔で語ってみましたです、はい」