寿司を握ってみた。
大人7人、子供3人が集まるってんで、そりゃ寿司だろうとなり、
行きつけの魚屋に足を運び、食材を買いこんだ。
ブリ、アジ、真鯛、エビ、イカ、カンパチ、サケ、
イクラ、ウニ、卵焼き、マグロ、シラス。
まずは、形からってんで、甚兵衛を着る。
胸に<石丸亭>のロゴの入った本格的なモノだ。
頭には、豆絞りのハチマキ。
酢飯を造り、いざ、握り始める。
ネタは厚め、大きめにカットし、酢飯は極端に小さくする。
沢山食べたいからだ。
パンパンッ
酢を落した水で手を洗い、叩いて水気をとる。
左手で、ブリを摘まみ、真ん中を窪ませたシャリをひょいと乗っける。
クイッ
軽く握ると、本手返しで、クイッ。
ものの3~4秒で、形が出来上がる。
最後に、力を入れ過ぎないよう力を入れ、形を整え、
皿に乗っける。
そうだ、軍艦巻きも造ろう。
海苔をハサミで切り、酢飯の周りにクルリと丸める。
止めは、米粒だ。
こいつも、酢飯少な目、
上部のウニやイクラ、シラス、マグロのネギトロたっぷり。
こぼれ落ちんばかり。
「ブリのあぶりちょうだい!」
『あいよぅ~』
食事中の、注文にも応じる。
ガスバーナー使用、目の前で、ゴ~~とあぶる。
落ちた脂に火がつき、燃え上がり、演出効果抜群となる。
子供たちはおおいに喜び、部屋かけまわり、
下戸は炬燵で丸くなる。
「手巻きが食べたい!」
『あいよぅ~』
海苔に、様々な魚や野菜を放り込み、クルリと三角形にして、
ヒョイと手渡す。
「海苔巻きぃ~!」
『あいよぅ~』
大きな海苔を巻き簀にのっけ、溢れんばかりの魚や野菜を並べる。
グルグルグル。
酢飯少な目、具材ばかりの海苔巻きが出来た。
アレッ、酢飯五合が無くなった。
食べつくした。
よし、新たに炊いてあった五合の白米で続きをやろう!
寿司は掃除機のように、皆の腹に吸い込まれるのであった。