ノコギリを手に持っている。
青竹をノコで、引いてみる。
シャコシャコ・・簡単に切れる。
生きている竹はいとも簡単に切断できる。
しかし、枯れた竹は、固くなって、切るに難い。
これは、アダンの樹にも言える。
シャコシャコシャコ
生きたアダンは、簡単に切れる。
ところが、枯れたアダンを切るには、
生きたアダンの10倍の力がいる。
切った私が言っているから間違いない。
で、ここに蔦が登場する。
正式名称《葛葉藤》クズハフジ。
その根っこから葛が取れる。
葛湯のクズだ。
このクズハフジの蔦は、生命力が旺盛だ。
森から、どんどん触手を伸ばし、
ありとあらゆる障害を越えて、周りに拡散してゆく。
木に巻き付き、地面を這い、家屋の壁に取り付き、
ほおっておけば、1~2年で、家は覆い尽くされる。
我が家は、このクズハフジとの闘いと言っていい。
夏には、ウネウネと近づいてくる蔦を、
植木バサミで切る作業で忙しい。
切っても切っても、伸びてくる。
いったいどこからやってくるのだろう?
かねてよりの悩みだった。
昨日、森の中にむりやり踏み込んでみた。
ヘルメットに安全靴、重装備でのぞんだ。
そして、ついに見つけたのだ。
その親玉を。
そやつは、大きく成長した大蛇のように、
木々の間でくねっていた。
太さは、10cmを超えている。
辿ってゆくと、崖の地面の中に没している。
「こいつが、親の幹だったのか!」
私の腰には、ノコギリがぶら下がっている。
上を見上げると、葛は、木々に巻き付き、
遥か上空まで伸びている。
親分を切ってみよう!
「ここで、切断して大丈夫だろうか?」
「切った途端、ドサドサと落ちてこないだろうか?」
「それより、この 太い幹が、切れるだろうか?」
ノコギリの歯を当て、喉ぼとけを上下させる。
ゴクリッ
ええいままよ・・・
シャコシャコシャコシャコ!
おお~~~なんと!
たった4回のシャコで、そのぶっといカズラが、
真っ二つに切れたのだ!
思わず、声が出る。
「生クズハフジ、おまえもか」
by ishimaru_ken
| 2016-01-07 05:57
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