「おい、ココ禁煙だゾ!」
煙草をやめた人は、元々煙草を吸っていなかった人より、
喫煙者に厳しい。
吸っていなかった人の10倍、小言を言う。
「窓開けて吸いなヨ」
「口ゆがめて煙吐き出すなヨ」
この文句の付け方は、あの人にも共通している。
《屁をするオジサン》
プッ
人前なのに平気で屁を放つオジサンがいる。
パスッ
音を立てれば、臭くないと信じているらしい。
バホッ
「シッケイ!」
屁をひった途端、大きな声で、シッケイと居直る。
シッケイとは、<失敬>を意味するらしいのだが、
謝れば、許されるとタカを踏んでいる。
ところが、このオジサン・・・
ご自分は、平気で屁をこいていながら、
他人が、目の前で放屁されると、烈火のごとく怒り出す。
「なんちゅう事するだ!」
先の禁煙オジサンと同じ思考回路である。
棚に上げたのが、自分自身だと気づいていない。
このオジサンが、高校の時に、詠んだ詩がある。
紹介しよう。
《
屁をしてもひとり》
恐らくこの詩は、尾崎放哉(おざきほうさい)の詩のパクリだ。
大正期の自由律俳句の詩人尾崎放哉の、こんな詩がある。
《せきをしてもひとり》
放哉は、ひとりのわびしさを短い歌にした。
ところが、かのオジサンは、
屁をしたのに誰も笑ってくれなかった寂しさを、
《へをしてもひとり》と、
歌にしてみたらしいのだが、所詮パクリである。
悲哀のアイすらない。
このオジサンが後年、成長してから作った川柳がある。
紹介しよう。
《
どうどうと ンまさかへとは おもうまい》
ンまさかの、
ンという所で、力を込めるらしい。