気になる文庫本を買った。
小説だ。
サッサッサ・・10ページ読んだ。
はまり込んだ!
もう止まらない。
すぐさま読み続けたい。
しかし、仕事の都合で時間が足らず、読み進めない。
すると、どうなる?
朝起きてから、空いた時間をソレに満てる。
トイレに行く。
文庫本を開いている。
駅まで行く。
エスカレーターの上で、文庫本を開いている。
列車が来るのを待つ。
ホームで、文庫本に没頭している。
列車が来る。
乗り込みながら、文庫本を読める場所を探している。
吊り革につかまる。
ページをめくり続ける。
終着駅に近づく。
あと5分、あと5分、到着が遅れてくれないものか?
ドアが開く。
押し出され、開いたままの文庫本を持ち、階段に向かう。
駅を出る。
さすがに、文庫本をカバンにしまう。
歩いていると、ベンチを見つける。
立ち止まり、しばし考える。続きを読もうか・・・
腕時計を見る。
それどころではない、遅刻してしまう。
交差点の信号が赤になる。
とっさに、カバンから文庫本を取り出し、10行読む。
信号が青になる。
もう一回、信号待ちしようか?
パタンッ、文庫本を閉じる。
閉じた文庫本をカバンの奥の奥に、沈みこませる。
二度と出てこられないように、タオルなどで、蓋をする。
気になる。
「火星に取り残された彼は、いったいどうなるのだろう?」
この小説は、今、映画化されて公開されている。
《オデッセイ》 小説名<火星の人>
私は、映画を観る前に、小説を9割がた読むのである。
1割のこして最後は、映画で観る。
しかし、そこまでは、文字で詳しく知りたいのだ。
映画だと、どうしてもビジュアルが勝ってしまい、
微妙な情報は、とばされる。
あっ、又、ベンチがあった・・・
<雪山の人>