「忽然と姿が消えた」
昨日、イレクターパイプのジョイント部品がひとつ、
異次元に疾走した話をした。
その翌日だった。
「忽然と、姿を現した」のである。
この現れ方に問題がある。
なんと、工事をしている目の前に
何気なく出現したのだ。
以前から在ったかのように、そこに現れた。
ちょっと待て・・・
そんな現れ方でいいのか?
私は、さんざん探したんだゾ。
車庫の中、アッチを動かし、ソッチをどけ、
めくり、覗き込み、ポケットの中、棚の上、
同じ所を3回以上くまなく探し回ったのだゾ。
探す途中、休憩まで挟んで、再探索したのだゾ。
それでも、君は、発見できなかった。
だのに・・・
その、
何気ない登場の仕方はいかがなものか?
見つからなかった理由とか原因とか、
根拠をいっさい提示する事なく、
あっけらかんと出てこられると、
私はどうしたらいいのだ?
「かくかくしかじか」とか、
「あれがこうなったから」とか、
「これこれこういう理由で」とか、
何かあるでしょう。
君の再登場の仕方は、
ジョイント部品としての責任感が、全く感じられない。
紛失物は、ただ出てくればいいと言う考え方は間違いである。
出て来かたによっては、身をくねらす人もいるのだ。
いっそ出て来なければ、
身をよじらす想いをせずに済んだかもしれない。
家出をしたお父さんだって、帰り方が分からずに、
悶々と、旅を続けているかもしれないじゃないか。
さて、ひとつ余った君をどうしよう?
ハイエースのエンブレムにでもしてやろうかな。