石垣島から高速渡船で、30分。
《黒島》がある。
名前に指摘されるような黒い色はしていない。
まん丸をちょっと曲げた、どちらかと云えば、
ハート型の島だ。
標高は、極端に低く。
10mに満たない。
ピザのような島である。
そのピザの具の部分は、殆どが牧場であり、
人の数より、牛の数のほうが圧倒的に多い。
年に一度、牛祭りがあり、抽選で、訪れた中から一人に、
牛一頭が当たる。
当たったものの、どうするのか知らないのだが、
両手を挙げて喜ぶそうだ。
先日、訪れた際、やはり祭りが催されていた。
牛祭りとは別の祭りで、旧正月を祝う祭りだ。
綱引きが、大通りでおこなわれる。
我もと参加しようとしたら、あっと云う間に終わってしまった。
歌いと踊りが延々続く。
そんな時だった。
北と南側から、大勢の人々が担いだ6畳ほどの板が登場した。
それぞれの板の上に、剣を振りかざした剣士が颯爽と立つ。
やがて、2枚の板は道の真ん中でぶつかり合体し、
その上で、剣舞が舞われる。
勇壮だ!
しばらくして、板は、北と南に分かれていった。
すると、再び、その板が登場する。
南方には、神主のような人物。
北の板に乗っている人物が秀逸だ。
《
みるく様》
現地では、みるく様と呼ばれる神様だ。
恐らく、弥勒様なのだと思われるが、
ユニークな白い顔のお面をかぶっている。
五穀豊穣、子孫繁栄の神様だそうだ。
なにやら、厳かな儀式が執り行われ、
板は合体し、再び分かれてゆく。
真っ青な空のもと、牛の鳴き声と太鼓のひびき~
こりゃ、正月は旧に限るワイ・・
オジイがつぶやくのも分かる気がする。