~~~昨日の続き~~~
石垣鍾乳洞の立ち入り禁止の奥に踏み込んだ私。
センサーライトが働かなくなり、バツンっと明かりが落ちた。
真の暗闇に閉じ込められた私の運命やいかに?
で・・どうする?
真っ暗な中で目をつぶっている。
明かりが消えてから、足は動かしていない。
正面が12時だと仮定して、出口の穴は、4時半の方角だ。
四つん這いになって、這い戻ったとして、
もし、隣の穴に迷い込んだら・・
そう・・隣は、4時45分の角度、
さらに隣は、5時の角度。
微妙すぎる。
じゃ、どうする?
まず、左足の靴を、この角度のまま、脱ごう。
この靴を、
ベースと呼ぶことにする。
這って、進んだ時、道を間違った場合、ベースまで戻ってくる。
そして、ただ闇雲に進むのではなく、
尺取り虫の要領で、
両手をいっぱい伸ばした所に、モノを置いてゆく。
まずは、もう片方の右足の靴を置く。
その靴はベースを指して置かなければならない。
次に置けるモノを確認する。
靴下2
ティシャツ
ズボン(ベルトなし)
パンツ
時計
足すと、ベースを除くと、7点のポイントが出来る。
ポイントとポイントの距離を150cmとして、
10、5mの距離が稼げる。
しかし、パイロンまで、半分しかいけない。
何より、支道に迷い込む危険を最も避けなければならない。
ポイントをもっと作らなければ・・・
ポケットから財布が出てきた。
まさぐると、免許証を含めた
カード2枚、
お札4枚が見つかった。
これで、財布自体を含めると、7ポイント。
150を掛けて、さっきのと足すと、22m。
よし、ぎりぎり届くかもしれない。
ん・・まてよ?
うまく脱出したとすると、裸で、明かりの中に立っている事となる。
置いてきたものを回収するには、偶然通りかかった人に事情を話し、
しばらく、センサーを働かせてもらう必要がある。
つまり、その人とは、裸で接するのを余儀なくされる。
まずいナ。
男だったら、なんとかなるが、女性ばかりだったとしたら・・・
《洞窟で、痴漢現る!》
明日の新聞に載るかもしれない。
しかし、このまま、誰かが来るのを待てるだろうか?
それなりに寒い。
よし迷っていても仕方がない、やろう!
もう一度行動確認。
脱いだTシャツなどは、細くして、
一方を直前に置いたポイント方向に向ける。
14ポイント進んで、明かりが点かない時は、
ベースまで、ポイントを回収しながら戻る。
あとは、この繰り返し。
(とりあえずパンツは最後のポイントにしよう)
さあ、行くぞ!
っとこの時!
バツンッ!
明かりが点いたのである。
3時の方向だ!
慌てて、光の方に走りゆく。
まばゆい光の中にやってきたのは、オバちゃん達3人組だった。
もう少し遅れてオバちゃんが入道してきたら、
お馬鹿な裸のオジサンを発見したかもしれないネ。
銅像 具志堅用高