《冒険家》と《探検家》
どう違うのだろう?
ここに、洞窟を探検している吉田勝次さんにご登場願おう。
「吉田さんは、探検家なの?」
『いえ、ボクは、
冒険家です』
彼は、きっぱりと断言する。
「え~?吉田さんは、洞窟探検家って、名刺配ってるじゃない」
『う~ん、そう書かないと、分かってくれないからネ』
「じゃ、探検家ってのは、名義上なんだ」
『そうだネ、本当は、冒険家』
「どう違うの?」
探検家と冒険家が、どう違うのか訊いてみた。
『ボクはね、洞窟じゃなくてもよかったんだヨ』
「ほかでも?」
『山でも海でも、チャレンジできる所であれば』
「宇宙でも?」
『もちろん!』
「じゃ、なんで洞窟なの?」
『未知のモノとして、目の前にあったからネ』
その二つの違いは何だろう?
逆に、吉田さんが私に質問する。
『イシマルさんさ、スピードチャレンジの時、準備どうした?』
「風の状況と場所を徹底的に調べて、道具を完璧に用意して」
『そんで?』
「危ない状況をすべて想定して、イメージトレーニングして」
『そんで?』
「手伝ってくれる仲間にいっぱいお酒を呑まし」
『んで?』
「何があっても、無事帰ってくるゾ・・と」
『そこです!』
吉田さんが、のたまうには、
冒険家は、死んではいけないのだそうだ。
闇雲に突き進むのは、冒険家ではない。
冒険家は、異常なまでの細心な心構えが必要である。
言ってみれば、
ゴルゴサーティーン並みの怯え方が
求められると言う。
《危険回避能力》を持っていなければ、冒険家になれない。
おっ、明日、この危険回避の話をしよう!
地底湖をゆく