《ヒラマサ》
平政などとも書かれる。
アナタに訊いてみたい。
ブリとヒラマサの区別ができますか?
質問をしたものの、
ヒラマサ自体を知らないアナタには、失礼な質問だった。
では何故、そんな質問をしたかと云えば、
実は、ブリとヒラマサはそっくりなのだ。
流線型回遊魚としては、驚くほど似ている。
釣りあがって、暴れている状態では、どっちだか判明しがたい。
慣れれば、いとも簡単に分かるのだが、
慣れるには、ヒラマサを頻繁に目にしなければならない。
ところが、ヒラマサは、滅多にお目にかかれない。
釣るに難しい魚なのだ。
基本的にルアーで釣るのだが、
はっきり言って、釣れない。
10日間船に乗って、一匹も釣れなかったという方すらいる。
ブリに比べて、数が圧倒的に少ない。
こんな例を出してみよう。
豚とイノシシの数を比べれば、圧倒的に豚が多い。
<10000対1>以上だろう。
イノシシとは、野生であり、どう猛だ。
この数の多い少ないとどう猛さが、
ヒラマサとブリの関係に当てはまる。
釣り人は、10キロ、20キロを超えるヒラマサに夢を馳せ、
カリュウドとして、海に出てゆく。
滅多にお目にかかれないヒラマサを、追いかける。
やがて、ヒットした釣り糸を必死で巻きしぼる。
長時間の格闘の末、揚ってきた魚を見て、思わず吐き出す。
「チェッ、ブリかよ~」
ブリにとっては、悲しいセリフだ。
泣きたくなるに違いない。
豚も常々、イノシシに同じ想いを抱いているのだろうか?