先日、セミ捕り名人の話をした。
その最後に、上級編のことに触れた。
よし、今日は、セミ捕り上級者を目指すアナタに語ろう。
アナタには、素手で挑戦していただく。
クマゼミやアブラゼミは以外と簡単に捕れると、述べた。
ではまずは、中級編として、
《ツクツクボーシ》
身体が小さく、透明の羽根を持っている。
鳴いているのは雄。
比較的、細い樹木の、低い位置にもとまっている。
コレがねらい目だ。
鳴いているツクツクを見つけたら、
ツクツクのいる位置の幹の反対側を特定する。
形状や色で、その高さの<
目印>を覚えておく。
さあ、幹の反対側に周り込もう。
最低10mの距離をとって、周り込む。
その昔、テレビ番組《コンバット》において、
サンダース軍曹がよく使った言葉、
「迂回しろ」
この言葉を拝借して、実行にうつそう。
真っ直ぐセミに向かうのではなく、知らんぷりして、
迂回する。
ツクツクは、木の幹にとまっている。
すると、自分のとまっている幹が邪魔になって、
見えない死角ができる。
その動線から忍び寄るのである。
音はたてない。
スピードは、猫が忍び寄るほど。
ツクツクが
鳴くのを突然やめるのは、危険を察知した証拠だ。
もし、鳴きやんだら、5分ほどジッとしていれば、
また鳴きだす。
木が細ければ、身体を縦にして、死角に入り込む。
やがて、木までの距離が50センチになった所で、
腕を幹まで近寄せる。
はじめに、記憶しておいた目印の箇所に、手をすすめる。
今、幹のグルリと反対側にツクツクがいるはずだ。
つまり、アナタには、ツクツクは見えていない。
さあ、いくゾ!
息を吐き、とめる。
膝とヒジを曲げたまま、ボクシングのジャブの要領で、
サッと、幹の反対側に手をまわし、掴む!
ツクツクは、飛び上がろうとするが、
手のひら全体で、かぶせるように、取り押さえる。
完結。
捕まえたツクツクは、軽く押さえて、
決して羽根が千切れたりしないように労わってあげよう。
よく観察したら、そっと手を開く。
「いいんですか?」
そんな仕草をして、ツクツクは飛び立ってゆく。
心配しなくても、この時は、小便はしない。
さあ、明日は、上級編ですゾ。
何ゼミを捕るのでしょうか?