47県別ビールが当たらないと嘆いている滝田くん。
しかたなく、我が家で当たったビールをめぐんでやり、
翌日、神奈川県の横須賀基地に出かけた。
実に唐突だが、私の動きは唐突ばかりである。
急に思いついた処に出かける癖がある。
横須賀基地とは、自衛隊と米軍が同居している海軍基地だ。
戦艦あり、潜水艦あり、機雷除去艦あり、補給艦あり、
そして、あのイージス艦ありの基地を、
海上を巡る観光船で案内してくれるシステムになっている。
平日ということもあり、すいているだろうと、なめて出かけたら、
あ~らなんと、200人以上の人達が行列している。
基本的には、年齢は高いが、意外だったのは、女性率が高い。
戦艦なんて、男が見に行くものだと先入観を持っていた。
いやいや、半分以上・・いや7割がた女性である。
マイクパフォーマンスの船員の方の冗句に、
キャーキャーを嬌声があがる。
「このイージス艦、だいたい私の年収と同じの4000億円です」
『キャ~、あははは~』
観光地に行くときは、この嬌声は、楽しい。
面白さが倍加する。
「この船は、
機雷除去で活躍しています。私は、船長が
嫌いです」
『キャ~、あははは~』
船は湾内を40分ほどグルリと巡り、発着地点に帰ってくる。
そこで、
「チケットに書かれた番号を抽選で、3人に景品が当たります」
アナウンスが流れた。
200人中、3人だ。
私と滝田君は、番号をにらんでいる。
私の番号はさっさと外れた。
すると、隣にいた滝田くん。
「当たったぁ~!」
200分の3
缶詰のカレーをゲットしたのである。
《砕氷艦しらせカレー》
ビールより当たりにくい確率を仕留めたのである。
不思議な運を持ったヤツだ。
「おい、ビールをめぐんでやったのだから、カレー食わせろ」