ホテルの朝食バイキングの飲み物は、
《コーヒー牛乳》と決めている。
コーヒーだけは飲まない。
牛乳だけも飲まない。
あくまで、コーヒー牛乳である。
コーヒー牛乳たって、その割合が大切。
周りの方達を眺めていると、
コーヒーカップに、コーヒーを入れて、
その上から、牛乳をちょびっと注いでいる。
私は、その反対だ。
まず、グラスを手に持つ。
牛乳のボトルから、ドボドボと真っ白な液体を注ぐ。
グラスの9割に達したところで、
その横にある、コーヒーマシンに移動する。
グラスにマシンからコーヒーをそそぐ。
チョビチョビ・・
薄茶色に染まってゆく。
溢れる手前で、とりだす。
できた!
我が、魅惑のコーヒー牛乳だ。
バイキング料理を食べすすめ、
最後の最後に、新聞を読みながら、ジュルジュルとすする。
ゴクゴクと甘ったるい味をあじわう。
ほのかにコーヒーの香りがする牛乳。
試しに、牛乳とコーヒーを半々にして混合すると、
なんか薄い感じがするのである。
3対1でも、まだ薄い。
6対1でもまだまだ薄い。
9対1の関係がベストミックス・・・だと長年の経験でわかった。
ほんじゃ、自宅ではどうしているのか?
まず、マグカップにインスタントのコーヒーの粉を入れ、
お湯をほんの少し注ぐ。
よく混ぜ、その上から9倍の量の牛乳を注ぐ。
はい、出来上がり。
ようは、出来るだけ大量の牛乳に、ちょびっとだけのコーヒー。
昨日のことだった。
朝食会場の私の前に並んだオジサン。
グラスに牛乳を満々と注いだ。
っと、隣のコーヒーマシンから、なんと!
ほんの一滴、ポトンと牛乳の上に落としたではないか。
一滴!
すごい!
達人の境地に達した方とお見受けした。
というより、レバーを引き下ろすだけで、
コーヒーが出てくるマシンから、
一滴だけ垂らす技術やいかに!
まだまだ私なんぞは、ひよっこである。
いつか将来、あの境地にたどり付けるだろうか?