《葛飾区亀有公園前派出所》
ついにこの漫画が終わった。
思い起こせば40年前、この漫画が映画化された。
主人公に、せんだみつおが登場した。
映画のセットは、東映大泉撮影所のオープンに造られた。
その頃、ぴあテンという博覧会が当撮影所で催されており、
私も、タップダンスの発表で参加していた。
会場に車で行った私達。
達というのは、友人の長谷川康夫と行ったという意味である。
今年、《つかこうへい正伝》で、数々の賞を受賞した作家だ。
しかし、当時は、私同様、何モノでもない。
やがて、街中に車を停めた私達は、人気のない歩道を歩きながら、
「今夜、この店で呑んでいかないかい?」
『おっ、いいね』
「それにしても、信号が低くすぎないかなぁ?」
『あれっ交番があるゾ』
「亀有公園前派出所?」
『ここ、亀有だっけ?』
なんと、街だと思っていたところは、広大な映画セットだったのだ。
東映が力を入れていたらしく、広い敷地全部を街にしてしまった。
飲み屋と勘違いした店の裏に回ってみると、
すべては張りボテで、つっかい棒で建っている。
よく見れば、信号は、撮影しやすいように、低く造ってある。
車を路駐したと思っていたが、実はセットの中だったのだ。
まるで、スパイ大作戦のダマシにあったかのようだ。
まだ、映画という世界に足すら踏み入れていない40年前。
その世界のスケールの大きさを垣間見た瞬間だった。
その頃の私・・のお馬鹿写真が見つかった