《ブラインドタッチ》
パソコンを扱うようになって、
見ないでキーを打つ動作を覚えた。
ほとんどの方が、当たり前のように、ブラインドタッチを行う。
不器用と呼ばれた人でさえ、恐ろしいほどの速さでキーを打つ。
そういえば・・
楽器というものは、ありゃ、
ブラインドタッチの最たるものではないのか?
口で吹き、指を動かす楽器も、
ギターのように、弦を押さえたりこすったりする楽器も、
ピアノのように、叩く楽器も・・・
その中でも、
「ありゃとんでもないブラインドタッチだ」と感心する楽器がある。
《マリンバ》
木琴が大きく広く二段になった楽器である。
鍵盤楽器に属するものだ。
この奏者の手の動きがすさまじい。
ピアノであれば、指先が直接鍵盤を叩くのだが、
マリンバは細い木の棒の先に、丸い玉がついていて、
そいつが、鍵盤をたたく。
指から道具をくりだす分、外れる確率があがる。
パソコンのキーを打つのに、
長い棒を使った場合を想定してもらえば、
その困難さがわかるだろう。
しかも、両手で2本の棒を持っているうちはまだいい。
時には(いやこの場合の方が多いのだが)、片手に2本の棒を持ち、つまり合計4本の棒で鍵盤を叩きつづける。
その叩くスピードや、いかに!
おもわずキツツキを想像してしまう。
1秒間に、いったい何回の打数があるのだろう?
その打数分、音が出ている。
間違い打ちは、不協和音となるので、すぐにバレてしまう。
つまり、プロは正確に、鍵盤に棒の先の玉を当てているのである。
凄すぎる。
私は、マリンバ奏者に質問してみたい。
「パソコンはもちろん、ブラインドタッチですよネ?」
返ってきた言葉がコレだったら許しませんよ。
『それ・・・できません』
コーラが見えるかな?