秋はイノシシだ。
「イノシシが捕れたよ~ん」
親戚から、イノシシ肉が送られてくる。
ブフッブフゥ
鼻息が荒くなる。
「猪カツってのは、どうだろう?」
造ってみた。
パン粉をまぶし、油を使わないフライヤーで、調理してみた。
ふむ、こうなったか・・・
食べてみた。
見た目は悪かったが、豚とは違う旨味があった。
野趣あふれる食感に満ちていた。
次はどうしよう?
猪なら、ボタン鍋というのが定説だ。
定説と言うならば、ここはスキヤキだろう。
そこで、
猪スキヤキにしてみる。
ジャージャー
以前買い求めた、岩手県の南部鉄鍋にイノシシの肉をあぶる。
そこにワリシタをドボドボ入れる。
あとは、スキヤキの所作に任せる。
できた!
厚めに切ったイノシシ肉。
イノシシ肉は、不思議な特性を持っている。
鍋にした場合、
煮ても煮ても、かたくならない。
グツグツ煮えているのに、柔らかいままなのだ。
コレが、豚だの牛だのの場合は、煮過ぎは、かたくなる。
ところが、イノシシ肉は、翌日の
スキヤキ残でも柔らかいままだ。
今、
スキヤキ残と述べた。
私の世代の特徴かもしれないが、
スキヤキとは、スキヤキを食べている時が絶頂期でないのだ。
スキヤキの楽しみとは、
翌日、ねかしたスキヤキに味が染みこみ、
えもいわれぬ熟成鍋になった状態を絶頂期と呼んでいる。
勿論、この焦げ茶色の物体は、熱々のご飯にかけられる。
焼き豆腐が、肉汁を完璧に吸い込み、
あるかなしかの肉片にへばりつくタマネギがいとおしい。
食べ方の基本音は、
ジュルジュル・・
進化して、シャバシャバ・・
感嘆詞のハァ~