「おおっ、この石垣だらけの漁村は何だ!」
昨日、セーを教えてもらった道をどんどん進んでいると、
見事なまでの石垣が組まれている集落に辿りついた。
《外泊》
案内板によると、
その昔、次男や三男たちが、この地に寄り集まり、
なんとか狭い土地に家を建てようと苦心した。
現代であれば、コンクリーで基礎を作れば、
傾斜地でも家は建てられるが、
何百年も昔は、石で垣根を造るしかない。
エイコラ、ヨッコラと長い年月をかけて石を運び、
一軒、また一軒と建ててきて、今の集落が出来上がったのだそうだ。
見事というしかない。
ここが、海岸沿いでなかったら、マチュピチュに例えられるほどの、
しっかりした造りである。
城は、殿さまが命令して、大勢の普請で拵えるものだが、
個人の家は、その個人が建てるしかない。
一個、また一個と海や山から石を運んでくる労苦は、
並大抵ではないだろう。
当然のことながら、あとから建てる人達は、
傾斜が激しくなる山腹まで石を運ばなければならない。
しかも、よくよく見ると、廻りに、段々畑を作っているのだが、
当然ながら、そこも石垣である。
畳何畳分の土地の為に、何万個の石を積み上げている。
我らの先祖様は偉かったんだなあ。