「讃岐うどんを、讃岐で食べたい」
今、讃岐うどんは日本全国に進出し、どこでも食べられる。
大きなスーパーの食事コーナーに、軒を構えている。
讃岐とは関係ない高速道路のSAで、湯気をあげている。
その昔、とんこつラーメンが日本各地に進出した現象に似ている。
そこで・・・
やはり、本場で食べてみようじゃないか!
本場のシステムを体感しようじゃないか!
本場って、讃岐じゃないか!
足を運ぼうではないか!
ないか!
関東から、車で向かった。
遠かった。
二日かかった。
本場を味わうとは、それなりの覚悟がいるのだと理解した。
《人は蕎麦を食うために、100キロ走る》
との格言をはいた事があるが、
人は、
うどんにも走る能力を備えていた。
うどん一玉、160円。
天ぷらと卵を付けて、350円。
かかった高速代は、片道21250円。
道中宿泊代を含めると、4万円を超えた。
「そりゃあんた、よっぽど
旨いうどんじゃろナ」
朝、7時からやっている店もある。
若いアンチャンが入ってくるや、
大盛りうどんに、天ぷらをごっちゃり乗せて、
卵を入れ、無料の天カスを大量に投入し、
無料の青ネギをスプーンで10杯以上放りかけ、
慣れた手つきで、ダシを注ぎ、テーブルにドンと落ち着く。
あんなに食べるのかと感心していると、
ドンと置いたその隣に、もうひとつドンが置いてあるではないか!
えっ、今のは、2杯目だったのか!
彼の一日はこうして始まるらしい。
良かったネ、讃岐に生まれて・・・