食器は、割れる。
長年使っていた食器でも、割れる。
意外と簡単に、割れる。
思いもかけない時に、割れる。
落して割れるのは、まともなヤツだ。
軽くぶつけただけで割れる、軟弱なヤツもいる。
食器どうしがぶつかり、どちらかが割れる場合もある。
割れた方が、弱かったとなる。
負けたとなる。
勝ち残った方が、居座る事になる。
明日からの我が家の食卓をになうヤツとなる。
食器とは、割れる運命を背負った物体だ。
逆に考えれば、割れない食器とは、
日ごろ使われていない・・
つまり
人気のないモノかもしれない。
そう考えれば、割れた食器とは、
常日頃、使いたい人気があるヤツで、
ひっぱりだこだったのかもしれない。
使用率が高いという理由で、
割れる確率が高かっただけなのかもしれない。
例えば、我が家にある、Aという皿は、頻繁に食卓に乗る。
驚くことに、朝昼晩、登場する働き者である。
恐らく、私が気に入っており、
使い勝手が良く、なおかつ、
割れにくいと思われる。
ではさらに素晴らしいBを見てみよう。
ヤツは、朝、ご飯茶碗としてお目見えしたと思ったら、
昼には、汁モノをゴックリさせてくれ、
ディナーでは、サラダボールで現れる。
節操のなさに、目を覆う。
しかしである。
これほどのスケジュールに悪戦苦闘しながら、
いまだ健在であり続けている。
つまり、割れていない。
立派だ!
優等生の君の出自を問うてみた。
《砥部焼》 とべやき