夕方の空を見ていた。
暮れなずむ茜色の天空に、飛行機雲がなびいていた。
その数2本。
アッチから一本。
ソッチから一本。
おそらくエベレストを越える高度に、
客人を乗せたジェット機が飛んでゆく。
アッチの飛行機はどこに行くのだろう?
ソッチの飛行機は、どこに旅の夢を乗せてゆくのだろう?
ぼんやり見ていると、2機が次第に近づいてきた。
飛行機が飛ぶと、そのあとに、
飛行機雲がスジをつくる。
時速数100キロの、スジ雲だ。
ン?
あの2機は、そのうち交錯するナ。
ン?
高度は違うとはいえ、スジ雲はいずれ交錯するゾ。
ン?
すれ違うのだからして、何かの文字が出来るのではないか?
ン?
何という文字が出来るのだろう?
ン?