昨日、ある事で、うろたえていた。
ろうばいしていた。
おたおたしていたという言い方もある。
ロケ中に、お茶を衣装のズボンにこぼしたのだ。
こぼし方が情けなかった。
湯のみを持った右手で、耳をかいた。
やってみてください。
右手に湯のみを持ち、人差し指を立て、
その指で、右耳をかいてみてください。
はい、湯のみが傾き、中身がこぼれましたネ。
おもわず、ろうばいしてしまった。
その時・・
「ろうばい、と云う漢字はどう書くのだろう?」
疑問がわいた。
調べてみた。
すると・・
《狼狽》
では、うろたえるは?
《狼狽える》
ほほお~ろうばいも、うろたえるも、
獣編のオオカミがからんでいる。
意味を調べてみた。
狼は、オオカミの事で、
狽も、オオカミの事なのだそうだ。
少し違いがあり、
狼は、
前足が長く、後ろ足が短い。
狽は、
前足が短く、後ろ足が長い。
つまり、反対の身体つきをしている。
これは、歩きづらいってんで、
狽の方が、狼の背中に前足を乗っけて歩くのだそうだ。
すると、時折バランスをくずし、倒れるらしい。
その時、二頭は、
ひどくろうばいするのだと言う。
そこから、狼狽という漢字が出来たと、今、知った。
ふうむ・・なんとなく解ったが、そういうものだろうか?
狼狽するには、普通の動物ではダメらしい。
羊や、バンビがオドオドしているのは、
表現として「うろたえる」とは呼ばないのだ。
オオカミほどの怖く強い性格を持っているモノが、
どうしても、耐えられないほどの衝撃を受け、
アタフタしている時に初めて、
「うろたえる」という表現が使われる。
砦の大将が、兵士に向かって、
『うろたえるな!』
こんなシーンが、「狼狽」を使ううってつけ時である。
よもや、耳をかいてお茶をこぼした程度で、
狼を引っ張り出すとは、100年はやい!