カジカが我が家の近くに棲みついた。
夜、綺麗な声で鳴いている。
カジカとは河鹿のことで、カエルである。
見た目は、かなり悪い。
その姿で、よくぞまあ、という位に鳴き声とのギャップが大きい。
似た鳴き声に、エゾハルゼミがいる。
森の中で、
セナセナセナと鳴いている。
河鹿の鳴き声は、そのセにアルファベットのKが混じる。
つまり・・・
SKENA SKENA という発声だ。
カタカナでは、
ケナケナケナと書くしかない。
もうひと方、似ている鳴き声がいる。
ヒグラシだ。
彼は、
カナカナカナと鳴く。
私的には、この三者の中で、最も美しい声として、
カジカに軍配を挙げたい。
夜の静かな時に鳴いていると云うずるいハンデはあるが、
あのせせらぎの様な、ころがり鳴きには驚くしかない。
もしカエルだと知らされていなければ、
懐中電灯を持って、何が鳴いているのか探しに行き、
どうしても見つからず、
夏休みの宿題に、
「発見できず!」の文字が並べられるだろう。
カジカという名前には、同名の魚もいる。
ある人などは、
魚が鳴いていると思っている。
カエルだと、かなり説明したあとでも、
「あはは、アレは、魚の声ですヨ」
がんとして、自説をゆずらない。
「甘露煮にしたら、美味しいんですヨ」
あの声の主を食べているそうだ。
この方は、生涯、真実を知らない方がよろしいかも。
もし本来の姿を知ってしまったら、夜眠れないかもしれない。
どうぞ、甘露煮を噛みしめてくださいませ。
こころおきなく・・・