ついに岩木山の麓に辿り着いた。
青森県の最高峰、1625m
遠くから見ると、富士山の形をしている。
特に、最後の頂上付近が、槍ヶ岳のように尖っている。
そそられる。
津軽平野に平地から、いきなりドド~ンと、
単独の峰として、土が盛り上がっている。
<海岸の砂場で、子供に砂山を造らせたらこんな山を造るだろう>
それが、岩木山だ。
始めて観ると、思わず両手を合わせたくなる美しい山だ。
特に津軽平野に特有の霧がかかった朝にそそり立つ峰は、
神々しい。
さあ、登るゾ!
勇んで、登り口に向かう。
標高差1400m
っと、最初に断っておこう。
この日は、岩手山に登って、中2日。
足の筋肉が悲鳴を挙げている。
「バスが八合目まで、連れて行ってくれるですって」
「九合目までは、リフトがお尻を運んでくれるですって」
なんと岩木山、その昔、頂上直下まで、
バス道を造ったのである。
山登りというヤツは、登りより、下りが辛い。
登りだけで、下りがなかったら、筋肉痛にはならない。
人の体は、下るように出来ていないらしい。
「登るだけ登って、帰りは車で降りられないかナァ」
登山者の本音である。
岩木山は、その希望を実現させてくれると言うのである。
今、私の足は筋肉痛の最盛期。
歩き方が、パタコン星人になっている。
ズルい言い訳が、しのびよってきた。
「下りだけじゃなくって、登りにも使わせて貰おうかナ」
ブブ~~
いとも簡単に、迷うことなく、バスの人となった。
八合目まで、グネグネ道をひたすら登るバス。
「69の曲がり角があります」
録音のアナウンスが流れる。
地図など見ていたら、間違いなく吐き気が襲ってくる。
「日本海が見えます」
「白神山地の山々が見えます」
着いた。
ここから、九合目までリフトに乗る。
着いた。
最後は、ご自分の足でどうぞ!
そのどうぞが、結構な岩場登攀なのである。
ナメてかかれない。
過去に、けが人が出ている。
なんせ、気軽に来られるものだから、
軽装の人が少なくない。
街歩きのスニーカーもいる。
実際の登山道は、北アルプスの岩場に近い。
パタコン星人の私には、登りはまだ良かったが、
下りが難儀だった。
うむ、岩木山は、再チャレンジが必要だな。
次は、理想の登り方をしてみよう。
《1400m登って、100m下る》
山頂には鐘がある カ~~~ン