スポーツ新聞をひらくと、《釣り欄》なるものがある。
各地の釣り情報を、こと細かく紹介している。
非常に文字が小さい。
求人欄より小さいとも言える。
なのに、情報は大量。
たとえば・・・
富津:フグ:18~29センチ;
南沖で良型のアカメ主体。竿頭は初挑戦女性
虫メガネで拾い読む。
釣りに興味のない人からすると、
「誰が、こんな文字を読むんだ?」となる。
「コレ全部読む人がいるのだろうか?」との疑問すら浮かぶ。
ところが、全部読む人はいる。
現に、今キーを叩いているオジサンは、全部読む。
『ほお~熱海沖では、ヒラメとマハタかぁ~』
まるで、自分が釣りに行き、釣り上げたような想像までする。
時折、イナダ、0~25匹などという文字の横に、
《0匹は、
船酔い》の文字。
これは・・
「釣れなかったんじゃないんですよ。
たくさん釣れているのですが、
船に酔った人の事は、正直に書きますネ」の意味。
これらの情報が欲しいが為に、140円払って新聞を買っている。
これで、
釣りをした気になる楽しみを得るのである。
もちろん、実際に釣りに行く折には、
大潮小潮だの満潮干潮を調べるために、140円を払う。
そして、時折、その欄に
自分の名前が載ることもある。
でっかい魚を釣り上げたり、
竿頭(その船で一番、数を釣った人)になった時、
「神奈川の○○○○さん」などと名前が載せられる。
そんな時には、700円払って、5紙買ってしまう。
なんだか、嬉しいのである。