7年ぶりの新燃岳の噴火。
そこは、日本で最初に指定された国定公園だ。
あまりにも美しい山容をしているので、指定された。
今から47年前、この山に私が登っている。
正確に述べると、高千穂の峰を目指し、
リュックを背負った18歳の若者が汗を流していた。
登山口から、登り始めてまもなく、
《韓国岳 からくにだけ》という噴火口が現れる。
岳と云いながら、山がある訳ではない。
巨大な噴火口が口をあけている。
すり鉢状の、かつての噴火口だ。
月面の隕石アトと見まごう、宇宙的な光景。
地球とは、こんなものだと教えてくれている。
そこを過ぎて、しばらく歩くと、
次に、似たような噴火口が現れる。
《新燃岳 しんもえだけ》
韓国岳と兄弟の、すりばち穴をあけている。
「どうだ、驚いたか!」
穴は、我らに地球の規模を教えてくれる。
高千穂の頂上はその先だ。
ピラミッドに似た三角形の頂きは、
噴火の噴石の微妙な堆積のたまものだ。
マグマの小さな違いが、それぞれの山を築きあげる。
日本列島を長~い時間で考える必要はない。
もっと短く考えてみよう。
アナタが生きている人生の中で、
日本の大地は、コロコロと形が変わっているのだ。
世界の中でも、日本列島は、変わり身が早いらしい。
こうしている間に、どこかの火山が、
噴こうとしているかもしれない。
新燃岳さん・・落ちついたら登りに行きますかんネ。 真ん中のやや灰色に見えるクレーターが新燃岳
その下の三角形が高千穂の峰 2015年秋撮影
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