~~~昨日の続き~~~
ズバコンが地下室にあると聞き、
目ん玉を5百円玉くらいに見開いて、ご主人のあとに続く。
ご主人とは、私の行きつけの蓼科のロッジ《すみや》だ。
「これが、そうですワ」
暗闇の中、懐中電灯に照らされたテレビが現れた。
大きい。
40年以上前のテレビとは思えないほど、デカい。
画面の下に書いてある文字には、
《2ウエイ4スピーカー》とある。
テレビ画面の大きさは、
45センチ×35センチほどもあろうか・・
当時としては、最大サイズであろう。
画面の両側に、挟むように大きなスピーカーが構えている。
2ウエイの威力を、4スピーカーの出力を、
遺憾なく発揮してくれる力強い構えだ。
「ご主人、今コレつきます?」
『真空管が元気ならつきます』
ごくりっ、喉がなる。
つけてみたい。
現代のデジタルにない、
真空管の2ウエイ4スピーカーの音色を聞いてみたい。
その時だった。
「アレッ、これズバコンじゃないヤ」
『えっ、じゃあコレは何?』
「ズバコンの次の世代の、当時の最新鋭のテレビですヨ」
『電源入れて、見たいです』
「う~ん」
『今度来る時までに、是非、見られるようにしてください』
「うぐっ、なんせ、47年前のテレビですからネ」
乞うご期待!