難読日本一の山
《一尺八寸山》
読み方を知っている私は、その正体を調べるべく、
東京から大分県まで車を走らせた。
まっすぐ向かわなかったので、一週間くらいかかった。
辿りついた時には、
何と読むか?
すっかり忘れてしまっていた。
え~と・・?
登れば、思い出すだろうってんで、
日田市から、街道を進むも、
登山口が見つからない。
誰かに訊こうにも、読み方が分からない。
発声できない。
あったあった!
やっと見つけた看板にも、この文字。
《一尺八寸山》
ふり仮名がない。
わざとないのか、関心がないのか・・
当たり前すぎて、フリガナの必要がないのか・・
ついに見つけた登山口で、
椎茸栽培を営むオジサンと出会った。
「なんと読む山ですか?」
『
みおうさんじゃな』
「みおうさん?」
『昔々、この山に悪い暴れイノシシが3匹おってナ、
そりゃいかんと、殿様が退治したんじゃ、
ほんで、その尻尾を切って長さを測ったら、
合わせて、一尺八寸あったんじゃと。
そんで、三つの尾ってんでヨ。
みお山
みおうさん』
ここで、アナタにききたい。
この解説で納得できたでしょうか?
こんなでいいのでしょうか?
なんと言っても、大分県である。
吉四六さん(きっちょむさん)の文化が息づく村ばかり。
おかしな発想で人を笑わせて暮らしてきた歴史の町。
ふ~~ん、みおうさん
ほんじゃ、登ぼりましょうかネ、みおうさん。
この山も、卓上台地、テーブルマウンテンだ。
歩きながら、想いを返す。
なんで殿様は尻尾をちょん切ったんでしょうかネ?
なんで、長さを測ったんでしょうかネ?
なんで、3匹分足したんでしょうかネ?
みおうさん。
家老は、なにか進言しなかったんでしょうかネェ?
みおうさん。
「殿!後世の為にも、どうかご一考を!」