40年ほど前、オヤジが初めて、車を買った時の事だ。
クラウンの中古だった。
ナンバーは、
8809
オヤジが子供たちを呼んで、小さな声で言う。
『ママには、このナンバーの読み方はナイショな。
ハハレイキュウだから・・』
(成る程、<母霊柩>では、縁起悪いわな。)
その夜、そのママが子供たちを呼んで、小さな声で言う。
『パパには、このナンバーの読み方は、ナイショね。
パパレイキュウだから・・』
イシマル家の良い子達は、その言いつけを守り続けた。
時折、それぞれ、
目くばせをしてくる、父と母に
そっと、うなずきながら・・