自動ドアに、
よくぶつかる。
自動ドアの開くのが、イシマルのスピードについていけない。
歩いていって、センサーの働いたあたりから、
もう開くだろう、もう開くだろう・・と思いながら、
進み、最後の最後、
首を縮めた格好で、ガーンと
ぶつかる。
ぶつかった瞬間には、3センチくらい開いているのが
救いだ。
鼻をぶつけないで済む。
駅の自動改札機のカードが
とれない。
たいがい、通り過ぎてから、カードが出てくる。
もう出るだろう、もう出るだろう・・
出口に右手を持っていくのだが、
腕がピーンと伸びて、完全に後ろ手になっても、
出てこない。
10センチ
通り過ぎてから、スッと出てくる。
パソコンの
(はい、ちょっと待ってねえ)
という合図が
待ちきれない。
ついつい、待たずに操作をしてしまう。
待ち無しで働かされたパソコンは、しょっちゅう機嫌が
悪くなる。
どうも、この上記の事柄から、判断すると、イシマルは
<
待て>
というのが、イヤらしいのだ。
<待つ>くらいなら、自動ドアと
勝負したいのだ。
<待つ>くらいなら、自動改札機を
教育したいのだ。
<待って>もいいが、パソコンには、早く
賢くなって
欲しいのだ。
犬はえらいな。
生涯、<
待って>暮らしているのだから・・