演劇集団のユニットに、
piper(パイパー)というグループがある。
そこの 、作 演出家が<
後藤ひろひと>だ。
通称<
大王(だいおう)>と呼ばれている。
この大王との出会いが、刺激的だった。
7年ほど前に、そのパイパーから、
芝居のオファーが来たのである。
そして、イシマルから、OKをとるために、3人の男が
東京は赤坂のホテルに、参じたわけだ。
さて、ホテルのロビーでおじぎをする3人の男・・
一人目の、プロデューサーが、
スキンヘッド。
二人目の、俳優川下大洋が、
ポニーテール。
三人目の、後藤ひろひとが、
ヒゲが変だ。
おいおい、こんな奇人達と芝居をするのかあ?
(まいったなあ。やりたくないなあ。断ろうかなあ)
おのおの、自己紹介が終わった時だった。
突然、隣で雷が落ちた!
とんでもない
大声が炸裂したのである!
『ナニ座っとんじゃ!ぼけ!カス!!!』
どうやら、隣のソファーに、この
ビルの工事人達が
座っていたのだ。
それが、気に入らない、関西の方がいたのだ。
それも、関西の
さるスジの方で・・
どういうスジかと云われると・・
う~ん、今ここに書きたくないスジの方で、
ドラマとかでは、紺に白い縦じま模様の背広を、
お召しになっているスジの方で・・
ドカ~~ン!
ほんとに雷が落ちたのかと思った。
声のでかさが半端じゃない。
ののしり方が、今までに聞いた罵詈雑言をはるかに
超えている。
おまけに、ここでは、書けない
インターネット禁止用語(略して
イン禁)がバンバン出てくる。
『きさまら、××××野郎が、△△△のくされ□□□!!』
イン禁が飛び交う。
工事人達は、あまりの
イン禁の激しさに、黙っているしかない。
ロビーに居合わせた人々も、
イン禁に耐えられなくなっている。
イン禁の大洪水だ。
我々も、凄まじい
イン禁に、タマが縮みあがってしまった。
(略さない方が良かったかな)
しかして、10分ほどの落雷を続けると、関西のお方は、
なおも、
イン禁を振りまきながら、去っていったのである。
あとに残された、我々4人の演劇人。
自己紹介が終わったばかりだというのに、あ~ら、
仲良しになっちゃった。
激しい戦いを戦い抜いた、戦友みたいになっちゃった。
昔からの知り合いみたいになっちゃった。
オファーを断る気持ちなんか、吹っ飛んじゃった。
でね、その後、たくさんの舞台を、一緒にやっている。
この秋にも、<大王>の舞台がある。
あの日の、あのハプニングな出会いがなければ、
イシマルの芝居人生は、また
違ったものになっただろう。
むしろ、あの
イン禁の方に感謝しなければならないのかもしれない。
!と・・ここまで書いて、????
<
?>マークが浮かんできた!
ひょっとすると、あの<イン禁の方>は、
作 演出家 後藤ひろひとが
雇った俳優だったのではないのか?!
あとで、こっそりギャラを渡していたのではないのか?!
う~~ん、ナゾだ・・・