夢があるのだ。一度やってみたい
夢があるのだ。
でも、(なあ~んだ、そんな事なの!)とバカにされそうで
言い出せなかったのだ。
今日は、夏の暑さに思い余って、告白するのだ。
イシマルが走っていく。水着姿で走っていく。
夏だ!
炎天下だ!
裸足の裏がコンクリートの熱で、焼けそうだ。
全身汗だく、ノド、カラカラ。
おお!あの先にあるのは、なんだ!
プールだ!
それもただのプールではない。
黄金色に輝く、<
ビールのプール>だ!
ビールがプールに満タンにチャッポン、チャッポンなのだ。
もう一度言おう。
<
ビールのプール>だ!
飛べ!イシマル!
高く遠い軌道を描いた、イシマルの身体が、
黄金色の水面に
ダイブする・・
スローモーションの様な羽ばたきの中に、
イシマルの歓喜の声が響く。
そして、その瞬間が・・・
・・キンキンに冷えたビールの中に、
ドッパアーーーーーーーン!
目を開けると、泡だらけだ。
小麦色の泡が身体にまとわり付いてくる。
もう、何も見えない。ビール以外は何も見えない。
ここは、ビールの世界だ。ビールの宇宙だ。
今だ!飲むのだ!
ゴクゴクをするのだ!
ウグウグをするのだ!
バッフーをするのだ!
影の声
『4℃に冷えたビールの中に入った途端、
心臓麻痺をおこします。
水中、いやビール中で、嚥下ゴクンは出来ません。』
うるへえ~!
鼻から入ってもいい。溺れてもいい。
麻痺した心臓をぶん殴れ!
飲め飲め、飲み続けろお~!