ホテルのバスルームに入ると、石鹸が置いてある。
小さく、紙に包まれた奴だ。これを使って、体を洗えという。
そのまま、こすり付ける西欧式だ。
これまで、長い間、あの石鹸を体にこすり付けてきた。
しかし、最近気付いたのだ。
あの石鹸は、間違いなく西欧人用であって、
我々、東洋人には、向いていないと・・
バスタブの中に立ち、あの石鹸を手のひらでゴシゴシこする。
1分ほど、こすっても、ちょこっとだけしか、泡が出来ない。
しょうがないから、石鹸をそのまま身体にこすり付ける。
ところがどうだ!
全く泡立たない。
こすっても、こすっても、廊下に石鹸を塗っているようだ。
あるとき、この話をしたら、役者の小倉久寛がこうのたまう。
『僕なんか、すぐブクブクですよ。』
なるほど、彼は、毛むくじゃらだ。
鼻の頭と爪以外、毛で覆われている。
そうだったのか!
毛が無いと、泡出たないんだ!
こんな、簡単な事に、なぜ気付かなかったのか!
そうなのだ、イシマルはほとんど体毛が無い。
だから、泡立たなかったのだ。
それ以来、頭髪は、シャンプーで洗うので、除外するとして、
身体に生えている、しっかりした
あそこの毛を利用する事となった。
あそこの毛を、泡立て器として使用するのである。
あそこの毛とは、ヘソのちょっと下の・・
(なぜ、こんな事説明しているのだろう・・)
さて、泡立てた後、
全身に配るのである。
身体を綺麗にする為に、洗っている筈なのに、
配られてくる泡の出どこ・・を振り返ると、
う~ん、これでいいのかなぁ?と首を捻ってしまう。
『だんな・・おたくが、今首筋を、洗っている
泡の出どこ、教えたりまひょか?』
いつも、見張られているような気がして、落ち着かない。
やったあ~このホテルは液体タイプだあ~
と喜んだものの、液体も、泡立たなさは、同じだ。
やはり、泡立て器に、活躍願っている。
<わが泡立て器は、永遠に清潔です!>